柿沼さん
柿沼さん

今、スタジオに通う子供たちは、"柿沼さん"と私を呼んでいる。

以前、NHKのE-テレの書の長期にわたる連続講座で講師を務めたことがある。

その際、第一回目の放送の中、パフォーマンス直後の興奮の中、思わず言ってしまったことがカットされずにそのままオンエアされた。

共演者:「あの〜、何と呼べばよろしいでしょうか? 柿沼先生でしょうか?」

柿沼: 「いやいや、柿沼さんでもカキさんでも何でもいいですよ。お願いですから先生はやめましょう〜 先生って呼ばれているやつにろくな人いないと思っているんで、、、」

当然、局の方にも私の方にもクレームの雨嵐。

途中ドロップアウトしたものの両親とも元小中校の教諭、自分も高校で教鞭を取っていたこともあり、育った環境や自己の経験から出た自分なりの言葉だ。今となると、若気の至り、言い過ぎ感は認めている。

いわゆる世間一般の”先生”、そのイメージにハマらないように生きてきたし、これからもその考えは変わらないだろう。

‘教育’という言葉、’教える’’先生’という意味や概念に対し、疑問や抵抗感がいつになってもなくならない。

誰が、いつから、書や書道をやる人を”先生”と呼ぶようになったのか知らないが、私に関しては「さん」以上でも以下でもない。

先に生まれただけでは格好つかないし、内容が伴っていなければ美しくも何ともない。
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