2023年07月18日
「羽」 EC Collection SS/23 「シェ〜事件」
書=書写ではない。書写は、書という表現のほんの一部に過ぎない。文字を正しく美しく表現するのが書写。
形や筆順、トメ、ハネ、ハライなど規範に対する正確さを学ぶことを主とする。
書という表現は、文字そのものの直接的、具体的な意味や形の他に、文字学的な研究、表現者自身のコンセプト、プロセスや概念、
美的工夫などのさまざまなバックボーンが複雑に混じり合い一つの象となるものだ。
「シェ〜事件」
赤塚不二夫先生とのテレビ共演
2000年、NHK総合テレビ「にんげん広場21いのち」という90分の特番で最晩年の赤塚不二夫先生と共演した。
赤塚先生におきましては、残念ながらこの番組が最後のテレビ出演となった。
気が合いそうだからという理由でディレクターから赤塚先生係を仰せつかった私が先生と手を握りながらの入場の際、優しそうなおじさんが近づいてきた。
挨拶代わりに突然言われた。
「君の字、好きだな〜。さっきモニターでおっきい字書くとこ見ていたよ」と。
最初にして最後の先生との会話、私の宝物である。
“いのち”とは何かというテーマに深く切り込み収録は10時間近くかかったかと思う。
収録の終盤、赤塚先生が放った言葉。「生きる上で大切なのはバネだよ、バネ!」
めげない気持ち、跳ね返す力、負けない心、ツッパリ魂、、、などと私は解釈した。
番組中で一番強烈なメッセージであった。
今も深く心に響く。
直接的な動機ではないが30年ほど前にそのような背景があった。
そうして自分の腹の中から飛び出してきたのが「羽」なのであーる!
羽
羽根
跳ね
ハネ
バネ
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(EC作品説明)
羽を広げ飛び立つ鳥
「字は絵だろ」岡本太郎の言葉。 「羽」は、鳥の背の左右にある羽根の形から作られた象形文字です。 行草体で緩急や抑揚をつけて「羽」を描き続けていくうちに“大きく羽を広げ水面から飛び立つ鳥の姿”と邂逅しました。
行草スタイルによる表現ですが、羽根の形という大本の字源とは違った新たな象形文字のような表現に辿り着きました。
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